感動塾・みちくさ

 令和6年8月16日(金)~18日(日)、36名の小学4年生から6年生の子どもたちを対象として「感動塾・みちくさ」を開催しました。(195名からの応募があり抽選を行いました。)
 今回のテーマは、「『風』のふしぎ発見! 感動体験」です。事前に指導者となる大学教授や中学校・高等学校教諭を中心に構成する企画検討委員会を開催し、「『風』が吹く原理」「動植物の『風』の利用方法」「日常生活と『風』との関連」などについて、子どもたちにより深く理解させるための具体的な観察や実験、工作などの活動内容を検討しました。
 また、公募した学生ボランティアを対象に、ボランティアの意義や子どもたちへの支援の仕方、実際の活動内容について理解を深めるための事前研修も行いました。

 

【1日目 8月16日(金)】
〔開塾式・デモンストレーション〕
 午前中の開塾式では、広島市こども未来局こども青少年支援部 橋本部長様の挨拶、来賓や「感動塾・みちくさ」実行委員会の皆様の紹介、所長・参加者代表挨拶などを行い、参加している子どもたちと今回の目的やテーマなどを改めて確認しました。
 その後、記念撮影をして、いよいよ講師の修道中学校・高等学校の井山先生による「風」のデモンストレーションです。デモンストレーションでは、発泡スチロールの球体にブロワー(送風機)で下から風を吹き付けると、ブロワーを動かしても、球体がブロワーから一定の距離を保ったまま離れない現象や、風船をつないだ輪にブロワーで風を吹き付けると、その輪が空中で回り続ける現象などを見せると、子どもたちから驚きの声が上がりました。

〔風が吹く原理に関わる基礎実験・上昇気流の利用・夏の星空観察〕
 午後からは、比治山大学の鹿江先生による「風が吹く原理に関わる基礎実験」、広島市立楠那中学校の門江先生による「上昇気流の利用」の活動を行いました。
 まず、地球の自転によって風が起こることや上昇気流が発生する仕組み、飛行物が飛ぶ滑空の仕組みを学びました。そして、風を起こしたり捕まえたりする実験として、ペットボトルを利用した空気砲作りや風車を上昇気流で回す実験、飛行機の翼の模型を作り、その模型に扇風機の風を当てて翼を上昇させる実験、ビニール袋でランタンを作り、上昇気流で飛ばす実験などを行いました。
 暗くなってから実施した「夏の星空観察」では、天体望遠鏡を使って、満月に近い十三夜の月のクレーターや、夏の大三角をはじめ、多くの星を見ることができました。

 

【2日目 8月17日(土)】
〔風の利用①(植物編)〕
 午前中は、門江先生による「風の利用①(植物編)」の活動を行いました。まず、大きなソーラーバルーンを作り、宿泊棟の屋上でバルーンいっぱいに空気を入れ、膨れたバルーンが風や太陽の熱で舞い上がる様子を見ました。その後、種子の模型を作って飛ばす体験をし、植物が繁殖のために風を利用して種を飛ばしていることを知ることができました。

〔風の利用②(動物編)〕
 午後からは、井山先生による「風の利用②(動物編)」の活動を行いました。まず、動物が滑空や羽ばたきをして飛んでいることを学び、グライダーやパタパタ飛行機(羽をパタパタと羽ばたかせて飛ぶ飛行機)を作り、体育館で飛ばしました。実際に飛ばしてみることで、滑空や羽ばたきの仕組みを体感することができました。

〔キャンプファイア〕
 夜は楽しみにしていた「キャンプファイア」を行い、みんなで火を囲みながら、歌ったり踊ったりして、最高に楽しいひとときを過ごしました。


【3日目 8月18日(日)】
〔風とエネルギー〕
 最終日の午前中は、井山先生による「風とエネルギー」の活動を行いました。人間は風を利用して発電していることを学び、プロペラが風によってモータを回して発電し、音を鳴らしたり、LED照明を点灯させたりする風力発電機を作りました。完成した風力発電機を扇風機の風に当てて、実際に電子オルゴールの音が鳴り、LED照明が点灯することを体験しました。
 最後に、テーマ「『風』のふしぎ発見! 感動体験」に基づいて実施した3日間の学びを振り返りました。

〔閉塾式〕
 閉塾式では、大型スクリーンに映し出された3日間の様子の映像を見ながら、今回の様々な活動を振り返り、学んだことや不思議に思ったこと、楽しかったことなどを交流するとともに、講師の先生方、学生ボランティアの皆さん、自分たちを参加させてくれた御家族に対しての感謝をしながら3日間を終えました。

 

 本事業で取り上げた観察や実験、工作などの内容は、子どもたちがこれまで学んできた学習を発展させた内容でしたが、学生ボランティアの支援を受けながら、大変意欲的に学びに向き合う姿勢が見られました。知識として得たことを実際に体験することによって、実感を伴う理解となり、より深い学びにつながる教育活動になったのではないと考えています。
 本事業の実施に関わっていただいた全ての皆様に心から感謝しております。ありがとうございました。

参加した子どもたちの感想(一部抜粋)
・実験を通して、風の仕組みや温かい風が上に上がっていくということが分かりました。
・上昇気流が発生する仕組みを初めて知りました。ペットボトルの空気砲が心に残りました。
・袋の中に入った空気が熱によって温められ、周りの空気より熱くなることによって上昇気流が起こり、バルーンが飛ぶことが分かりました。
・種子には小さな羽のようなものがあり、それを利用してできるだけ遠くに行って芽が出るということが分かりました
・種子の模型作りでは、形や重りの重さにより、飛び方などが変化することが分かりました。
・種子の工夫が分かりました。みんなとかぶさらないようにしているのがすごいと思いました。滑空という飛び方をしている鳥がいることを知ることができて、パタパタ飛行機の仕組みもすごかったです。
・どんなものが風を利用しているか知りました。植物は遠くへ行くために、動物は飛ぶために風を使っていることが分かりました。
・ソーラーバルーンやパタパタ飛行機、キャンプファイアなど、盛りだくさんで、初めての体験をいっぱいすることができ、風にも興味がもてました。
・風力発電機作りは、組み立てるのが難しかったけど、できた時の達成感があってよかったです。オルゴールの音が鳴って面白かったです。
・大きな風車まではいかないけど、風力発電機を作って試してみると、電気が作られていたことがすごくうれしかったです。昔から風を使って船などを動かしていることにびっくりしました。
・風はいろいろなところに役立っていて、人間も利用していたことが分かりました。風はいろいろなことと関係していることも分かりました。
・風は、動物や植物、エネルギー、その他いろいろなものに関わっていることが分かりました。
・とっても身近な「風」からたくさんの学びができて、みんなと仲よくできたし、上昇気流とかのことも分かってよかったです。
・月は本当にでこぼこしていて、見るのが面白かったです。そして、夏の大三角は見たことがあるけどいつ見てもいいです。
・夏の星空観察で、月にはあんなにたくさんのクレーターがあることを初めて見ることができ、とても驚きました。
・キャンプファイアが一番心に残りました。みんなでふれ合って、班の人だけでなく、交流していなかった人やいろいろな人と遊べたので楽しかったです。まだ知らない人とも積極的に話せてよかったです。
・キャンプファイアで木の大切さや楽しさを知ることができました。友達も増えてうれしかったです。
・学生ボランティアの皆さん、3日間ありがとうございました。体調のことなどもとても気にかけてくれてうれしかったです。困ったときは助けてくれたので、楽しい3日間になりました。
・学生ボランティアの皆さん、3日間私たちのお手伝いをしてくれてありがとうございました。皆さんのお手伝いがあったから、無事に3日間を過ごすことができました。私も大人になったら、いろいろな人にやさしくできるようにがんばろうと思うことができました。本当に3日間ありがとうございました。