第6節 あ と が き
広島市教育委員会は、被爆40周年を迎えようとしている今、被爆体験の悲惨さを次の世代へ継承し、恒久平和の確立のために役立つことを念願し「記録集」を発刊することにしました。 この事業は、新市域の13町を対象に、域内にある18公民館を中心に、平和学習の一環として、被爆時の状況や、体験などを柱に資料の収集や、聞き取りなどの方法によって冊子にまとめ、残そうとするものです。 可部では、亀山・可部両公民館区域内から、16人の編集委員を定め、昭和59年7月11日第一回被爆体験継承事業編集会議をもちました。 この席で、記録集完成の時期を、60年2月を目安に、それぞれの項目を設定、分担を定め、資料収集から始めました。 その後、随時編集会議をもち、収集資料の検討、補足、再調査など、内容の充実に努めました。8月20日には、町内各地、各層の体験者に集合をお願いし、座談会を行い、その生々しい体験を語ってもらったことは、この記録集の上に大きな収穫をもたらし、反映させることができました。 各項目毎にまとめられた原稿は、さらに9人をもって構成する小委員会によって、全体の調整と校正を行いました。 内容の重複、用字、用語については、独断をさけ、協議の上、主旨を曲げない程度で多少の手を加えましたことをご了承ください。 昨年の夏、真夏の太陽のもとに取りかかって以来、夏が去り、秋がきて秋が去り、そして冬、新しい年度を迎え、そしてすでに3月、今ここにようやく可部町(原爆投下時の可部町、亀山村、三入村、大林村)として記録集を仕上げることができました。 この記録集「川のほとりで」が出来上がります道程では、資料の提供、座談会への出席、体験文の寄稿など格別の協力支援をいただいた方々に厚く感謝の意を捧げるものでございます。 また、平和特集号として発行した「公民館だより」を、無料で新聞に折り込んでくださった町内(可部中央・可部西・可部南・可部北)の各販売店の厚意も忘れることはできません。 ここにまとめた本町の資料は、やがて広島市教育委員会によって再編集の上出版され、将来平和学習の資料として広く活用されることが予定されております。 ここに「あとがき」の筆を描くに当たり、着手以来三旬の間、編集委員各位の並々ならぬ、熱意、奉仕的愛町の精神、委員相互の協力に対し重ねて厚くお礼を申し上げます。 昭和60年3月18日 可部町被爆体験継承事業編集委員長 下野岩太 広島市亀山公民館長 武田 巧 広島市可部公民館長 田村能英 |
資 料 名 | 「あのとき閃光を見た 広島の空に」より 昭和59年度 可部町被爆体験記録集 「川のほとりで」 可部町被爆体験継承編集委員会 広島市亀山公民館、広島市可部公民館 |
発 行 者 | 広島市教育委員会事務局社会教育部社会教育課 |
発行年月 | 昭和61年3月 |